
平成2 4年度事業計画(案)
I 基本方針
東日本大震災から1年が経過したが、被災地の復興にはまだまだ時間が必要であり、原子力事故の収束、経済の再生と、国難とまで呼ばれる歴史的な転換期に際し、今まで以上の厳しい経営環境が予想される。
印刷業においても、生産額の減少、受注単価の下落が続き、デジタル印刷機の普及、電子書籍の台頭など技術革新への対応、ビジネスモデルの変革が喫緊の課題となっている。二のような環境下、経営資源に制約のある中小印刷業者が連携し、それぞれが相互に補完するネットワークを持つ印刷組合の価値はますます重要となるであろう。東印工組は印刷業からソリューション・プロバイダーへの進化を提言しており、その一助となるよう変革を熱望する組合員の発展に役立つ組合運営を目指す。
今年度は組合機構・事業運営機構を変更し、4つの通常委員会に加えCSR推進専門委員会を設置し、委員会を中心に次の事業活動を推進する。 事業では、「印刷物製造業から問題解決支援業への変革支援」を主題に、各社の経営改善、新たな価値の創出を支援し、あわせて各種経営関係調査の実施及び分析数値の提供を行う。環境・労務事業では、企業の持続的発展を目指し、昨年度創設した環境推進工場登録事業の普及を柱に、法令遵守の徹底はもとより、さらに一歩進めた環境経営の導入を呼び掛ける。また労務関連では、従業員の生産性を長期に渡り高く維持し、その付加価値を更に向上させる施策、労務問題のリスクマネジメント研究を行う。組織運営、共済、広報活動を包括する組織活性事業では、組合事業の一層の普及を目指し、支部ブロックを再編成して近隣支部組合員との交流を密にすることにより、組合事業への参加機会を増やし組合組織の活性化を図る。また、組合加入の大きなメリットである各種共済事業の加入増強に努め、恒例の「組合員の集い」、「敬老の集い」を開催する。広報活動では組合員・支部との情報流を太くするため、提供メディアの充実を図る。教育・研修事業では継続事業として、あらゆる経営情報を「見える化」することによる収益改善を目的とした企業改革に向けた情報提供を行い、制度教育事業の改善・改革策として資格取得者のスキル向上のためのフォローアップを研究するとともに、厚生労働省[ジョブ・カード制度]に基づいて構築した職業能力形成プログラムの普及を進める。さらに全印工連MUD(メディアユニバーサルデザイン)事業のニ層の普及・啓発、好評を博しているプリントメディア就職フェア「合同会社説明会」の開催、他の委員会と連携を図りながらの各種研修・セミナーの企画・開催、全印工連特別ライセンスプログラム事業の協力と広範な事業を展開する。新設のC S R推進専門委員会では、これからの経営ソリューションの根幹となり得るC S Rの普及・啓発、全印工連C S R認定事業の周知に加え、BCP(事業継続計画)の研究および個人情報保護体制認定(JPPS)の推進と制度拡充を推進する。 二の他にも、印刷用紙・インキを中心とする資材情報の収集・提供、労務実態調査の実施、東京地区印刷協議会を通じての全印工連事業の周知・普及、ポストPRIMEDEXの検討、2012全日本印刷文化典北海道大会への協力、東京都印刷産業政治連盟との連携、事務局の業務改善など組合員支援を基本に組合機能の強化を目指す。
1。経営革新一マーケティング事業の推進/経営革新一マーケティング委員会
経営革新・マーケティング委員会では「印刷物製造業から問題解決支援業への変革支援」をコンセプトに、各社の経営改善(収益性の向上)や、新たな価値の創出(売上げを上げる仕掛け)を支援していく。
(1)利益創出の支援
@経営羅針盤の浸透 実践型セミナーの企画・開催
A経営ドックの開催
(2)売上を上げる仕掛けの支援
ソリューションプロバイダーへの変革のための情報発信・支援
(3)印刷業経営動向実態調査への協力
(4)マーケティング冊子[プリントズーム]の販売協力
2。環境・労務対策事業の推進/環境・労務委員会
環境対策事業は、環境関係法令の遵守・徹底を目指す。廃棄物等の処理に関する法令等を守ることは経営者の当然の義務であり、全社が環境法令を遵守するよう啓発する。 また、「環境経営」という視点から、より効率的な経営資源の活用や健全な ̄物質循環の役割を担うことで、企業の持続的成長につなげる経営の推進を図る。 日印産連・全印工連から提供される環境関連の情報は、速々かに発信する。 労務関係では従業員の生産性を長期にわたり高く維持し、その付加価値を更に向上させることを目的に、労務のリスクマネジメントという立場で労務トラブルから自社を守るガイドラインの研究を行う。
(1)It境推進工場登録事業の推進
(2)GP(グリーンプリンティング)認定制度の普及、啓発
(3)環境優良工場表彰の応募推進
(4)排出物の適正処理・再資源化の推進
@排出物の実態調査の実施
A廃紙・廃インキ缶・残肉の共同一括委託処理システムの運用と拡充
(5)各種環境関連情報の収集・提供
(6)セミナーの開催
(7)IS014001取得支援事業の案内
(8)労働関係法規への対応と啓発
3。組織活性事業の推進/組織活性委員会
組織活性委員会は広範囲な事業を所管することから、3つの部会を編成し事業推進を図る。組織・共済部会は、新たにABCDの4つの支部ブロックを編成し近隣支部組合員との交流を密にすることにより、組合員が組合事業に参加する機会を増やレ組合組織の活性化を図るとともに、組合加入のメリットとして各種共済事業をPRし、加入増強に努める。事業推進部会は、組合員相互の親睦と情報交流の場として「組合員の集い」、諸先輩の長寿を寿ぐ場として「敬老の集い」を開催する。また、広報部会は組合員、各支部との情報流を太くするため、提供メディアの充実を図る。
(1)組織運営
@組合員加入増強
A支部ブロック制度の拡充
(2)事業推進
@組合員の集いの開催
A敬老の集いの開催
(3)共済事業推進
@各種共済事業の運営と加入増強
A共助制度の運営
(4)広報
@組合員と支部および組合員との情報流の充実
A対外的な広報およびPR活動
B機関誌およびホームページの掲載内容充実
C各種出版事業の推進
(5)年賀関係ポスターの作製・配布
4.教育・研修事業の推進/教育・研修委員会
前年度の教育・労務専門委員会の継続事業として、本年度もあらゆる経営情報を「見える化」することによって、組合員企業の収益改善を目的とした企業改革に向けた有益な情報提供を行っていくものとする。また、制度教育事業の改善・改革については、印刷営業講座をけじめとした制度教育による資格取得者のスキル向上のためのフォローアップを研究するとともに、厚生労働省「ジョブ・カード制度」に基づいて構築した職業能力形成プログラムの普及を進める。 さらに全印工連MUD(メディアユニバーサルデザイン)事業の東京都における普及・啓発、他の委員会と連携を図り、各種研修セミナーの企画・開催、および全印工連教育・研修委員会における主導工組として全印工連事業の推進を担う。
(1)経営情報の「見える化」による収益改善の啓発
(2)「ゼロから始める“見える化”実証実験」パネルディスカッションセミナーの推進
(3)社員教育プログラムの研究
(4)厚生労働省「ジョブ・カード制度」による職業能力形成プログラムの研究
(5)全印工連特別ライセンスプログラム事業への協力
(6)制度教育の推進
(7)MUD(メディアユニバーサルデザイン)事業の普及・啓発
(8)新入社員研修セミナーの開催
(9)オフセット印刷技能検定への協力
(10)プリントメディア就職フェア「合同会社説明会」の開催
(11)都立中央・城北職業能力開発センターとの連携
(12)東京工科大との協力関係の推進
5. C S Rの推進/CSR推進専門委員会
これからの経営ソリューションの根幹はC S Rであり、企業は、経営活動は当然のことながら社会的責任の遂行が生き抜くための必須条件となる。C S Rの基本はステークホルダー(利害関係者)とのコミュニケーションであり、コミュニケーションを担う印刷会社にとってC S Rは最適な活動である。 C S Rの普及により、あらゆる業界の規範となるよう啓発を図っていくものとする。
(1)全印工連C S R認定事業の普及・啓発
(2)CSRセミナーの開催
(3)BCP(事業継続計画)の研究・啓発
(4)個人情報保護体制認定(JPPS)の推進と制度拡充
6。ポストPRIMEDEXの検討
フ.東京青年印刷人協議会事業への支援
8。出版メディア協議会との連携
9。2012全日本印刷文化典北海道大会への協力
10.東京都印刷産業政治連盟との連携
2 4年度東京都印刷工業組合部会事業計画」(案)
平成2 4年度、当委員会は前年度の教育・労務専門委員会から通常委員会となり、委
員数も1 2名から二十数名に倍増し取り扱う事業も大幅に増えることから、委員会を三
つの部会に分け副委員長を各部会長とし各事業を推進する予定である。
各支部におかれては以下に示す内容に造詣の深い方、または積極的に各事業に取り組
んでみたいと志される方を御推挙いただきたい。
今年度、教育・研修委員会が掲げ万事業は以下の(1)〜(12)の事業である。
(1)経営情報の「見える化」による収益改善の啓発
(2)「ゼロから始める“見える化”実証実験」パネルディスカッションセミナーの推進
(3)社員教育プログラムの研究
(4)厚生労働省「ジョブ・カード制度」による職業能力形成プログラムの研究
(5)全印工連特別ライセンスプログラム事業への協力
(6)制度教育の推進
(7)MUD(メディアユニバーサルデザイン)事業の普及・啓発
(8)新入社員研修セミナーの開催
(9)オフセット印刷技能検定への協力
(10)プリントメディア就職フェア「合同会社説明会」の開催
(11)都立中央・城北職業能力開発センターとの連携
(12)東京工科大との協力関係の推進
1.収益性改善部会:(1)、(2)の事業を主体となって行う。
経営情報の「見える化」を通じて委員自ら情報発信し、組合員企業の収益改善に寄
与ずる研究・啓発を行う。具体的には前年度の教育・労務専門委員会委員で行う「ゼ
ロから始める“見える化”実証実験」パネルディスカッションセミナーの企画・実
施および平成2 5年度に委員が行う「見える化」パネルディスカッションセミナー
の企画・研究を主事業に展開する。また、研究の成果として業務遂行状況を共有化
し、あらゆる経営情報を社員に「見える化」することにより、印刷ホワイトカラー
の生産性向上を図ることが印刷会社の収益改善に結びつくことを実証する。組合員
に対してはその必要条件である簡易な電子日報フォーマットの普及を進める。
2.社員教育改善部会: (3)、(4)、(6)、(9)の事業を主体となって行う。(6)、(9)
の制度教育、検定事業の実施にあたっては、前年度の教育・労務専門委員会で実績
のある委員と事務局が中心となって行う予定であるレ
今年度より東印工組において始まる厚生労働省「ジョブ・カード制度」による職
業能力形成プログラムの推進と研究を積極的に展開する。また、制定から年月がた
ち制度疲労が露見し始めた制度教育事業のブラッシュアップおよび資格取得者のフ
ォローアップセミナーの創設に向けた活動を行う。さらに、「収益性改善部会」の実
績も取り込み印刷会社における効率的な社員教育プログラムの研究を行う。
3 .連携推進・研修部会: (7)、(10)、(11)、(1 2)の事業を主体となって行う。
本部会は収益性改善部会と社員教育改善部会が前年度の教育・労務専門委員会の
事業の継承、発展であるのに対して、本部会が主体として行う研修セミナーはもと
より、当委員会の他部会との協力による研修事業開催にとどまらず東印工組が行う
各研修事業を効果的に開催するために、他委員会とも連携して各委員会間に横串を
刺し、従前より効果的に研修事業を行うために新たに設置する。また、MUD事業
に関しては前年度まで東印工組において委員を擁して所管する委員会が無く、他工
組に比して必ずしも積極的に展開できているとは言えない状態であった。今年度は
MUD発祥工組として印刷物最大消費地である東京で、東印工組組合員に対してM
UD事業の普及・啓発を行い、印刷物の公共的価値を高めるために本部会でMUD
事業を推進する。さらに本部会は他の委員会との連携を通じて情報交換が活発化さ
れるであろうと考えられる二とがら、各委員会の情報を取り纏め東京都印刷政治連
盟に対して積極的に政策要望を意見するものとする。
(5)全印工連特別ライセンスプログラム事業への協力に関しては委員長、副委員
長および事務局が主体となって取り組み、(8)新入社員研修セミナーの開催は事務
局が主体となって行う。
平成24年度教育・研修事業基本方針
整理・整頓り青潔・清掃・躾の5 Sの推進とともに、企業収益改善および社員教育に関し
て経営情報の「見える化」の有効性を以下の5Mに関連した情報に基づき各委員自ら発信し、
委員会運営を行っていくこととする。
マネージメント(Management):原価管理、利益管理
価格表から計算される従来の積算体系(市場価格)を踏まえた上で、実際に社
内コストとして発生する時間単価(実原価)を導き出し、各工程のコスト管理
を行い、確実な利益構造を確立すること目指す。
メジャーメント(Measurement);数値化、定量化
業務情報の「見える化」により、その業務に従事する人の意識改革を促し、
作業量と製造原価を定量化し正確なコスト管理に結びつけていく。
マニュファクチャリング(Manufacturing):大量生産だけではない感性を持った工業生産
受注型産業で一品生産が大多数を占める印刷業では、多くの工程が自動化さ
れたとはいえ、手作業(オペレータの感性による工業生産)が印刷物製造にお
ける重要な要素であることに大きな変化はない。大量生産による売上高の追
求だけでなく「感性が付加価値」であるという、印刷業の原点回帰を模索す
る。
メカニズム(Mechanism):仕組みを作り直す
技術革新によって大きく変化した製造工程や生産性の向上による需給ギャ
ップや、スキルレス化による過当競争によって付加価値を減少させてきた印
刷業界。印刷データのワンソース・・マルチユースが喫緊の課題であるのに、
従来の印刷積算方法、人事管理の仕組みは現状に適合しきれていない。デー
タ加工に付加価値の比重を高めた積算方法や数値を用いた人事管理の方法
を考える。。
マインド(Mind):心(思考・判断・知覚・感情・意思などの働きをする心)を喚起する
上記「4つのM」について述べたが、労働集約型産業である印刷業は各業務
に従事する「人」の完成度を高めないことには、その成功はないと考える。
「人」の成長は「心=やる気」によって大きく結果が異なる。印刷業に従事
する人が「プロ意識」と「向上心」を持てるような印刷業界にしていくこと
こそが、我われ印刷会社経営者の使命(Mission)であると認識している。
そのような印刷人を醸成できる教育・研修委員会にしていきたいと考える。
3
2012-13年度経営革新・マーケティング委員会事業方針
【経営革新・マーケティング委員会のミッション】
@事業を継続・イノベーションするための経営基盤強化を支援
A新たな需要を創出するビジネスモデルの研究、ソリューションプロバイダー(問題解決業)への変革促進
B正確な経営判断、現実に即した組合事業の施策立案に役立つ実態調査の推進
<経営イノベーションのプロセス>
利益を生み出す経営へ改善
参入障壁を高める基盤強化
差別化可能な設備投資 技術研究開発 人材の育成
新たなコアコンピタンスによる需要の開拓
ミッション:
第1フェーズの支援と第3フェーズ・各社がソリューションプロバイダー(問題解決業)へと進むべき
道を模索するための事例研究、並びにそのための判断材料となる経営資料の提示
【事業項目】
(1)経営イノベーションの支援
経営羅針盤活用のツール開発と啓発(セミナー、ワークスタディ、個別指導)
経営者候補育成セミナーのプログラム開発と実施
(2)新需要創出の研究
@ソリューションプロバイダーの研究
Aプリントズームの発行協力
(3)業界動向調査の実施
印刷業経営動向実態調査の検討及び実施